幼い頃の記憶・・・
祖父母の家では、数人の従業員の方を雇い、
真珠の養殖をしていました。
真珠を選別する部屋には、たくさんの真珠が集められていました。
その中でも宝石としての出来には程遠く、
弾かれてしまった真珠がいわゆるザルにざっくりと入れられていました。
選別は、祖父の役目だったように思います。
幼い頃の私は、
その宝石にはなれなかった真珠がいっぱいのザルの中に
手をスポッと入れることが好きでした。
そして、大きく手のひらで弧を描くように動かしていました。
商品にはならないので、怒られることもありません。
ひんやりとした感触。ただそれだけ。
小さな頃は、ただそれだけのことが飽きずにずっとできる。
もちろん、その頃の私は、
この真珠たちに、「宝石になれなくて残念だったね」と
慰めの気持ちがあるわけではありません。
宝石として活躍している真珠たちの裏には
そんな真珠の存在もある。
あの頃の私には、その真珠たちの切なさはわからなかったけど。
何十年も昔の記憶に思いを馳せています。
